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Tritask スタートアップガイド

タスク管理ツール Tritask について、導入から基本操作まで解説します。

想定読者

Tritask はツールの性質上、ある程度利用者のスキルを要求します(課題でもあります。今後改善していきたいです)。

想定読者は以下のとおりです。

(1) タスク管理に取り組んでいる方

既に タスク管理に取り組んでいる方 を対象とします。

タスク管理について全く知らない方には厳しいかもしれません。が、もしかしたら読めるかもしれません。読んでみて判断していただければと思います。

ちなみに、TaskChute を知っている方は理解しやすいと思います。Tritask は TaskChute を元にしてつくったツールです。

(2) 秀丸エディタを利用している方

Tritask は秀丸エディタ上で動作するツールですので、秀丸エディタを利用している方が対象となります。

秀丸エディタを使っていない方でも使えないことはないですが、秀丸エディタは有償のテキストエディタであり、またマクロ登録といった作業はやや煩雑で、知らない場合は苦戦が予想されます。今のところ本ページでも詳しい解説は致しません。

(3) Python をインストールできる方

Tritask はプログラミング言語 Python で記述されていますので、実行には Python 環境が必要となります。

そのため、Python を既に利用しているか、あるいはインストールを行える程度のスキルが必要となります。本ページでは Python のインストールについて詳細な解説は致しません。

Tritask について

まずはじめに、Tritask のコンセプトについて簡単に説明しておきます。詳細は Tritask のコンセプト もご覧ください。

Tritask とは

タスク管理メソッドおよびツールの一種です。

TaskChute に強く影響されています。TaskChute から「見積もり機能」と「Excel依存」を省き、テキストエディタ上で動かせるよう極限までフォーマットをシンプルにしたものだと考えれば大体合ってます。

Tritask では 一行に一つのタスクを書き、これを並べる ことでタスクリストを実現します。並び順は「今日やるタスク」「明日以降やるタスク」「昨日以前にやったタスク」の三種類に分かれます(Triは3を意味します)。 ソート操作を実行するだけで並ぶので、ユーザーが手作業で並び替える手間はありません

ユーザーがやることは、

  • (1) タスクを Tritask に洗い出していく
  • (2) 洗い出したタスクに開始日を設定していく
  • (3) ソートする

これだけです。これだけで「今日やるタスク」と「明日以降やるタスク」に分かれます。ユーザーは「今日やるタスク」に集中するだけです。また、「今日やるタスク」内のタスクを意図した順番に並び替えることも可能ですので、TaskChute みたく直列タスクリスト(上から順番に実行するリスト)もできます。

もう一つ、Tritask の特徴として テキストエディタ上で操作する ことが挙げられます。画面やダイアログを経由せず、キーボードだけで素早く操作できるのが特徴です。データもただのテキストファイルですので管理が容易です。

タスクの開始と終了

タスクの開始/終了状態の管理についても取り上げておきましょう。まず既存ツールでは、

  • TODO リスト → チェックを付ける
  • TaskChute → 開始時刻と終了時刻を記入する

となっていますが、Tritask では TaskChute のやり方を踏襲しています。開始時刻と終了時刻を記入する スタイルです。

ここで「え?時刻をいちいち手で打つの?」と思われるかもしれませんが、ご安心ください。Tritask の機能として「タスクを開始する」「タスクを終了する」操作を用意しています。ワンタッチで開始/終了できます。

Tritask で出来ること

  • ショートカットキー一発でタスク操作
  • 日単位でタスクを区切る(タスクが実行日パラメーターを持つ)
    • 例1: デイリータスクリスト
    • 例2: あるタスクを明日にスキップする
    • 例3: あるタスクを 2019 年 2 月 13 日に配置する
  • ルーチンタスク
    • 例1: 毎日繰り返すタスク rep:1
    • 例2: 1週間に1回繰り返すタスク rep:7
    • 例3: 3日に1回繰り返すタスク、ただし水曜日と休日は省く rep:3 skip:水休
  • 見積りレポート
    • 今日のタスクをレポート(タスク数, 合計見積時間, 所要時間)
    • 選択範囲をレポート(タスク数, 合計見積時間)
  • ログ(実行済タスクの記録)
  • データのインポート/エクスポート

Tritask で出来ないこと

リッチな機能はサポートしていません。たとえば以下はサポートしていません。

  • スマホ利用
  • サブタスク
  • ラベルやタグの付与
  • プロジェクトやコンテキストの付与
  • フィルタリング(特定の属性を持つタスクだけを表示する、一括操作する等)
  • スター
  • 添付ファイル

ただし、一部については工夫すれば実現できなくもないです。

セットアップ

Tritask のセットアップ手順についてまとめておきます。

1. 必要なプログラムと設定

以下の手順が必要です。

  • 秀丸エディタのインストール
  • Python のインストール
  • 秀丸エディタに Tritask マクロを組み込む
  • 秀丸エディタに Tritask 用の設定(便利に使うためのショートカット等)を行う

詳しくは ドキュメント を見てください。細かい解説は割愛します。逆を言うと、秀丸エディタや Python を知っている人が前提のツールということになります(ここは課題ですね。もっと初学者に優しい手段で実現したいところです)。

2. データファイルを準備

拡張子 .trita のテキストファイルなら何でも OK です。

3. データファイルに区切りを入れる

trita ファイルを見やすくするために、区切りはぜひ書いておくことをオススメします。

区切りは以下の5つがあると便利です。

※今日 = 2018/07/31 とします


                              ---- INBOX

    <ここにインボックスを書く>

1 2018/07/31 Tue 00:00 00:00  ---- TODAY DONE hold:0

    <ここに今日終了したタスクが並ぶ>

2 2018/07/31 Tue              ---- TODAY TODO hold:0

    <ここにデイリータスクリストを書く&消化していく>

3 2018/08/01 Wed              ---- TOMORROW TODO hold:1

    <ここに明日以降のタスクが並ぶ>

4 2017/07/01 Sat 00:00 00:00  ---- YESTERDAY DONE

    <ここに昨日以前のタスクが並ぶ>

各区切りの意味(hold、ハイフン、時刻 00:00 の意味など)については後述しますが、一言で言うなら「区切りとして機能させるための記述」です。

4. タスクを登録してみる

準備ができたらタスクを登録してみましょう。

Add Task から追加していきます。どの行に追加しても構いません(どうせ後でソートするので)。今日やるタスクは開始日を今日にして、明日やるタスクは開始日を明日以降に設定しましょう。開始日の変更は Walk Day を使うと楽です(3を入力して3日後を設定、とかできます)。

追加し終えたらソートを行います。メニュー項目でいうと Sort です。すると、上記区切りの通りに並んでくれるはずです。

Tritask では 何か操作する → ソートする という手順を繰り返します。

操作イメージ

Tritask でどのようにタスクを管理していくのか、操作イメージを簡単に説明します。

1. 管理画面を開く

trita ファイルをテキストエディタで開くだけです。

2. 操作する

テキストエディタ上でガシガシ編集するだけです。

基本的にはカーソルキーで縦横無尽に移動しつつ、タスク名を直接編集するという形になるでしょう。ただしタスクの操作は Tritask メニューから行うと楽です。メニューはショートカットキーで呼び出します。

tritask_menu

私の例

私は Alt + A でメニューを呼び出すようにしています。主要な操作は以下のように呼び出します。

操作 ショートカット 意味
タスクを追加 Alt + A → A Add
タスクを複製 Alt + A → C Copy
タスクを開始 Alt + A → S Start
開始したタスクを終了 Alt + A → E End
タスクの実行日時を変更 Alt + A → D Date
開始中のタスクにジャンプ Alt + A → J Jump
ソート Alt + A → Space 深い意味はありません。単に押しやすいから採用しました。

ほとんど左手のみで操作できるようになっています。

ワークフロー

ここでは Tritask を用いた、典型的なタスク管理のワークフロー(運用の流れ)について述べていきます。

※ここでは今日 = 2018/08/01 水曜日 だとします。

1. タスクを洗い出す

まずはタスクを洗い出します。

trita ファイルをテキストエディタで開き、Add Task でガシガシ追加していきましょう。

類似タスクを追加したい場合、Copy Task を使うと簡単に複製できます。プロジェクトやサブタスクをつくりたい場合も、この Copy が使えます。

以下「電子書籍を執筆する」という想定で例を示していきます。

    ↓ Add Task で空のタスクをつくる

  2018/08/01 Wed             

    ↓ 分類名を先頭に書く

  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 

    ↓ Copy Task で複製していく

  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 
  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 
  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 
  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 
  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 
  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 
  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 
  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 

    ↓ タスクを洗い出していく

  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 ニーズ調査
  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 既存書籍調査
  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 タイトル考える
  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 章立て設計する
  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 面白そうか仲間に訊いてみる
  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 期限決める
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  2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 出版方法調べる

ただし、これだとソートしたら順番があべこべになってしまいます。見づらいです。工夫して文字を付与して、実行順序に並べてみましょう。

2. タスクを並べ替える

順番があべこべで見づらいタスクリストを、見やすく並ぶようにします。

    ↓  ソートすると以下順番になる(あべこべで見づらい)

2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 タイトル考える
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 ニーズ調査
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2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 面白そうか仲間に訊いてみる

    ↓ 並び順をコントロールするために、特定の文字を付与させます。
    ↓
    ↓ たとえば aN で指定する。a1, a2, a3, ...

2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a2 タイトル考える
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 ニーズ調査
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2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 面白そうか仲間に訊いてみる

   ↓ 再度ソートする

2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 ニーズ調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 既存書籍調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 面白そうか仲間に訊いてみる
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a2 タイトル考える
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a2 出版方法調べる
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2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a3 試しに書いてみる
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a4 章立て設計する

だいぶ見やすくなりました。

※並び順のコントロールには「辞書順の昇順」であることを利用します。先に来るのは 0 1 2 …… などの数字 → A B C …… などの大文字 → a b c …… などの小文字となります。

3. 今日やるものとそれ以外を決める

ですが、今日だけで全てのタスクを消化するのは無理なので、今日やるものとそうでないものを分けましょう。

2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 ニーズ調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 既存書籍調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 面白そうか仲間に訊いてみる
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a2 タイトル考える
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a2 出版方法調べる
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a2 期限決める
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a3 試しに書いてみる
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a4 章立て設計する

    ↓ ここでは a1 だけ今日やることにします。
    ↓ a2 は明日、a3 以降は来週に回しましょう。
    ↓
    ↓ 日付操作は Walk Day を使うと楽です。
    ↓ たとえば 1 日後にしたいなら +1 を指定するだけで済みます。

2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 ニーズ調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 既存書籍調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 面白そうか仲間に訊いてみる
2 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 タイトル考える
2 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 出版方法調べる
2 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 期限決める
2 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a3 試しに書いてみる
2 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a4 章立て設計する

これで今日やるものとそれ以外に分かれました。区切りがないので見づらいですが、区切りも入れると以下のようになります。

2 2018/08/01 Wed              ---- TODAY TODO hold:0
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 ニーズ調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 既存書籍調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 面白そうか仲間に訊いてみる
3 2018/08/02 Thu              ---- TOMORROW TODO hold:1
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 タイトル考える
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 出版方法調べる
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 期限決める
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a3 試しに書いてみる
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a4 章立て設計する

だいぶ見やすくなりました。

※区切りの意味(hold や ---- など)について後述します。今はとりあえずそういう書き方をする、とだけ思っていただければ OK です。

4. 今日やるタスクを消化する

では、今日やるタスクが定まったところで、上から消化していきましょう。

2 2018/08/01 Wed              ---- TODAY TODO hold:0
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 ニーズ調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 既存書籍調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 面白そうか仲間に訊いてみる
3 2018/08/02 Thu              ---- TOMORROW TODO hold:1
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 タイトル考える
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 出版方法調べる
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 期限決める
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a3 試しに書いてみる
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a4 章立て設計する

    ↓ ニーズ調査を開始する(13:18 に開始した場合)
    ↓ Start Task で一発です

2 2018/08/01 Wed              ---- TODAY TODO hold:0
2 2018/08/01 Wed 13:18       電子書籍執筆 a1 ニーズ調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 既存書籍調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 面白そうか仲間に訊いてみる
3 2018/08/02 Thu              ---- TOMORROW TODO hold:1
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 タイトル考える
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 出版方法調べる
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 期限決める
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a3 試しに書いてみる
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a4 章立て設計する

   ↓ ニーズ調査を終了する(14:22 に終わった場合)
   ↓ End Task で一発です

2 2018/08/01 Wed              ---- TODAY TODO hold:0
2 2018/08/01 Wed 13:18 14:22 電子書籍執筆 a1 ニーズ調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 既存書籍調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 面白そうか仲間に訊いてみる
3 2018/08/02 Thu              ---- TOMORROW TODO hold:1
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 タイトル考える
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 出版方法調べる
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 期限決める
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a3 試しに書いてみる
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a4 章立て設計する

   ↓ ソートする

2 2018/08/01 Wed 13:18 14:22 電子書籍執筆 a1 ニーズ調査
2 2018/08/01 Wed              ---- TODAY TODO hold:0
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 既存書籍調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 面白そうか仲間に訊いてみる
3 2018/08/02 Thu              ---- TOMORROW TODO hold:1
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 タイトル考える
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 出版方法調べる
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 期限決める
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a3 試しに書いてみる
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a4 章立て設計する

消化したタスクは、残っているタスクよりも上に表示されていることがわかります。「今日はあと2つのタスクが残っている」ことが見てわかると思います。

このようにして今日のタスクを全部潰していきます。

おまけとして「今日やったタスク」の区切りを入れておきましょう。

1 2018/08/01 Wed 00:00 00:00  ---- TODAY DONE hold:0 ★ここを追加しました
2 2018/08/01 Wed 13:18 14:22 電子書籍執筆 a1 ニーズ調査
2 2018/08/01 Wed              ---- TODAY TODO hold:0
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 既存書籍調査
2 2018/08/01 Wed             電子書籍執筆 a1 面白そうか仲間に訊いてみる
3 2018/08/02 Thu              ---- TOMORROW TODO hold:1
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 タイトル考える
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 出版方法調べる
3 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 期限決める
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a3 試しに書いてみる
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a4 章立て設計する

さらに見やすくなりました。

5. 明日になったら?

明日、つまりは 2018/08/02 を迎えると、タスクの並び順はどうなるでしょうか。

Tritask では「今日 = 2018/08/02」だと自動で認識します(余談ですが TaskChute だとここは自分で切り替える必要があります。基準日という名前でしたね)。なので、ソートすると以下のようになります(a1のタスクは全部終了させたものとします)。

1 2018/08/02 Thu 00:00 00:00  ---- TODAY DONE hold:0
2 2018/08/02 Thu              ---- TODAY TODO hold:0
2 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 タイトル考える
2 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 出版方法調べる
2 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 期限決める
3 2018/08/03 Fri              ---- TOMORROW TODO hold:1
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a3 試しに書いてみる
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a4 章立て設計する
4 2018/08/01 Wed 13:18 14:22 電子書籍執筆 a1 ニーズ調査
4 2018/08/01 Wed 14:33 15:44 電子書籍執筆 a1 既存書籍調査
4 2018/08/01 Wed 16:00 17:00 電子書籍執筆 a1 面白そうか仲間に訊いてみる

注目したいのは二点。

一点目。2018/08/02 のタスクだった a2 のタスクたちが、今日のタスクとして表れました。

二点目。昨日 2018/08/01 のタスクは、明日以降のタスクよりも下に表示されています。過去のタスクは用済みなので、下部にまとめておいておくというアイデアです。

少し見づらいので、やはり区切りを追加して見やすくしておきましょうか。以下のようになります。

1 2018/08/02 Thu 00:00 00:00  ---- TODAY DONE hold:0
2 2018/08/02 Thu              ---- TODAY TODO hold:0
2 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 タイトル考える
2 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 出版方法調べる
2 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 期限決める
3 2018/08/03 Fri              ---- TOMORROW TODO hold:1
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a3 試しに書いてみる
3 2018/08/06 Mon             電子書籍執筆 a4 章立て設計する
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「明日以降のタスク」と「昨日以前にやったタスク」の境界がわかりやすくなったかと思います。

6. インボックスやメモを書きたいのですが?

最後にインボックスについても紹介しておきましょう。

Tritask では開始日の無いタスクがインボックスになります。一番上に表示されるのが特徴です。名前こそインボックスですが、メモ欄として使っても問題ありません。使い方は自由です。

インボックスの追加は Add Inbox にて行います。

    ↓ 三件ほど追加してみる

1 2018/08/02 Thu 00:00 00:00  ---- TODAY DONE hold:0
2 2018/08/02 Thu              ---- TODAY TODO hold:0
2 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 タイトル考える
2 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 出版方法調べる
2 2018/08/02 Thu             電子書籍執筆 a2 期限決める
3 2018/08/03 Fri              ---- TOMORROW TODO hold:1
                             インボックス
                             インボックス
                             インボックス
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    ↓ ソートする

                             インボックス
                             インボックス
                             インボックス
1 2018/08/02 Thu 00:00 00:00  ---- TODAY DONE hold:0
2 2018/08/02 Thu              ---- TODAY TODO hold:0
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インボックスが一番上に表示されていることがわかります。

基本操作

Tritask がサポートする操作のうち、基本的なものを紹介します。

タスクの追加/削除/更新/複製

一行一タスクなので、以下のように手作業でも操作できます。

  • 追加 = 追加したい箇所に Enter で空行を追加する
  • 更新 = 編集したい行を直接いじる
  • 削除 = 消したい行を Backspace や Delete で消す
  • 複製 = 複製したい行をコピペする

しかし手作業だと手間です。特にタスク追加時は、実行日を書かないといけなくて大変です。追加と複製については Tritask メニューから行うのが楽です。

  • 追加 → Add Task
  • 複製 → Copy Task

メニューからだと実行日や開始時刻といったあたりも自動で入力/クリアしてくれます。

タスクの開始と終了

Tritask においては、

  • タスクを開始する = 開始時刻を記入する こと
  • タスクを終了する = (開始時刻が記入された状態でさらに)終了時刻を記入する こと

です。なので開始/終了したい場合は、単に現在時刻を記入すればいいです。ただ手打ちで時刻を打つのはしんどいので、Tritask メニューから一発で挿入します。Start Task と End Task です。

開始日のコントロール

タスクの開始日をスムーズに行う操作をサポートしています。

  • Walk Day

選択中のタスクの開始日を、入力した日数だけで進めます or 戻します。3 とか +3 なら3日後、-7 なら一週間前です。

  • Change to Today

選択中のタスクの開始日を今日にします。

  • Clear Date

選択中のタスクの開始日をクリアします(インボックスタスクになります)。

開始日のコントロール2

開始日を直接いじることもできます。その際 曜日部分はソート時に自動反映される のでいじらなくて OK です。

直接いじる際に注意したいのは、日付を不正な値にしないことです。不正だとソート時にエラーとなりエラーログが開かれます。以下に不正な日付の例を挙げます。

2 2018/07/31 Tue             休憩
  2018/07/32 Tue             ★このタスクは開始日が不正です

7月32日は存在しません。

ソート

ソートとは trita ファイル中の各行(つまりタスク一件一件)を昇順で並び替える ことです。それ以上の意味はありません。

Tritask では ソートするだけでタスク全体が意味のある並びになります。意味の塊は5つあって、

  • インボックス(開始日未定のタスク)
  • 今日やったタスク
  • 今日やるタスク
  • 明日以降のタスク
  • 昨日以前のタスク

この5つです。表示順も上からこの通りです。

タスクを思い通りの順番に並べたい

ここで「タスクを思い通りの順番に並べるにはどうしたら?」という疑問が生じるかと思います。

可能です。 ソートの性質(昇順に並ぶ)を理解して、上手いことタスク名を工夫する ことです。

たとえば以下四つのタスクがあるとして、以下の順番で並べたいとしましょう。

  2018/08/01 Wed             タスク 最初にやりたい
  2018/08/01 Wed             タスク 次にやりたい
  2018/08/01 Wed             タスク その次にやりたい
  2018/08/01 Wed             タスク 最後にやりたい

これをソートすると、以下のように意図した順番になりません。

2 2018/08/01 Wed             タスク その次にやりたい
2 2018/08/01 Wed             タスク 最初にやりたい
2 2018/08/01 Wed             タスク 最後にやりたい
2 2018/08/01 Wed             タスク 次にやりたい

意図した順番で並びるために、ソートが「昇順で並べる」という性質に考慮して、たとえば以下のようにします。

2 2018/08/01 Wed             タスク 3 その次にやりたい
2 2018/08/01 Wed             タスク 1 最初にやりたい
2 2018/08/01 Wed             タスク 4 最後にやりたい
2 2018/08/01 Wed             タスク 2 次にやりたい

ここでは実行したい順序を数字で書きました。これをソートすると

2 2018/08/01 Wed             タスク 1 最初にやりたい
2 2018/08/01 Wed             タスク 2 次にやりたい
2 2018/08/01 Wed             タスク 3 その次にやりたい
2 2018/08/01 Wed             タスク 4 最後にやりたい

完成です。意図した順番で並んでくれました。

このようにしてタスクの並び順をコントロールします。最初は難しいかもしれませんが、慣れればサクサクと並び替えられます。

(参考) 昇順

各文字を昇順で並べると以下のとおりになります。

 !"#$%&'()*+,-./0123456789:;<=>?@ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ[\]^_`abcdefghijklmnopqrstuvwxyz{|}~

たとえば「A」は「a」よりも先に並ぶ(先に表示される)ことがわかります。

発展的な操作

ここではタスク管理の諸概念が絡む使い方や、知っておくと便利な操作方法など、基本よりも高度な使い方について見ていきます。

属性

Tritask ではタスク名に attrname:value という文字列を書くと、当該 タスクに属性 attrname を付与する という意味になります。

属性として以下があります。

  • ルーチンタスク - 繰り返し行うタスク(rep:XX)
  • 区切り - 開始日を常に固定する(hold:XX)
  • スキップ - ルーチンタスクとして配置しない曜日を指定する(skip:XX)
  • 見積もり - タスクに要する時間をあらかじめ記載しておき、後の集計に役立てる(m:XX)

以降ではルーチンタスクと区切りについて見ていきます。

ルーチンタスク(定期タスク)

ルーチンタスクを実現するには、タスク名に rep:N を記述しておきます。そうすると、当該タスクを終了した時に、 開始日が +N 日された当該タスク が複製されます。

例を見ていきましょう。

    ↓ 毎日実行するルーチンタスクとしてメールチェックを追加します

  2018/08/01 Wed             昼休憩後のメールチェック rep:1

    ↓ これを終了してみます

  2018/08/01 Wed 13:00 13:04 昼休憩後のメールチェック rep:1

    ↓ この時、タスクが一つ下に複製されます。

  2018/08/01 Wed 13:00 13:04 昼休憩後のメールチェック rep:1
  2018/08/02 Wed             昼休憩後のメールチェック rep:1

あとはソートするだけです。ソートすれば、複製された 8/2 のタスクは「明日以降のタスク」エリアに移ります。

ルーチンタスク応用

定期設定はある程度細かく設定できます。

例1: 一週間毎に繰り返すルーチンタスク。

N=7 を指定します。

  2018/08/01 Wed             週一バックアップ rep:7

例2: 3日毎に繰り返すタスク。ただし休日はスキップする。

N=3を指定します。スキップについては skip:●● という属性を使います。●● の部分にはスキップしたい日を指定します。休日をスキップしたいなら を指定します。

  2018/08/01 Wed             はてなブックマークでトレンドを読む rep:3 skip:休

スキップ設定は他にもいくつかあります。以下に示しておきます。

記述する内容 意味
skip:月 月曜日はスキップ
skip:火 火曜日はスキップ
skip:水 水曜日はスキップ
skip:木 木曜日はスキップ
skip:金 金曜日はスキップ
skip:土 土曜日はスキップ
skip:日 日曜日はスキップ
skip:平 平日(月-金)はスキップ
skip:休 休日(土日)はスキップ

複数指定すると「全てを満たす」という意味になります。以下に例を挙げます。

  2018/08/01 Wed             水曜日と休日をスキップするルーチンタスク rep:1 skip:水日

また上記は skip:日水 でも構いません。

ホールド(開始日の固定)

ホールドとは 開始日を固定する 属性です。

Tritask ではそもそも 開始日が今日より前の未終了タスク があった時、ソートを行うと 開始日を今日にする という仕様があります。これは「やりもらしたタスク」をスルーしてしまうのを防ぐための機能なのですが、この仕様だと困る点が一つあります。

区切りを作れない のです。

区切りは常に同じ位置に表示させたいものです。

  • 例1: 「今日やるタスク」の区切りは、今日のエリアの一番上に表示したい
  • 例2: 「明日以降やるタスク」の区切りは、明日以降のエリアの一番上に表示したい

じゃあどうすればいいかと考えて、Tritask ではホールドという属性を用意しました。

タスク名に hold:N と書くと、そのタスクの開始日はソートされた時、常に「今日 + N 日」 になります。

以下に例を示します。

記述する内容 意味
hold:0 このタスクは開始日が常に「今日」になる
hold:1 このタスクは開始日が常に「明日」になる
hold:-1 このタスクは開始日が常に「昨日」になる

区切りタスクの意味を理解する

以上を踏まえて、ここでは上述した区切りタスクを改めて見てみましょう(ここでは今日 = 2018/07/31 とします)。


                              ---- INBOX

    <ここにインボックスを書く>

1 2018/07/31 Tue 00:00 00:00  ---- TODAY DONE hold:0

    <ここに今日終了したタスクが並ぶ>

2 2018/07/31 Tue              ---- TODAY TODO hold:0

    <ここにデイリータスクリストを書く&消化していく>

3 2018/08/01 Wed              ---- TOMORROW TODO hold:1

    <ここに明日以降のタスクが並ぶ>

4 2017/07/01 Sat 00:00 00:00  ---- YESTERDAY DONE

    <ここに昨日以前のタスクが並ぶ>

今日のタスク(TODAY DONE と TODAY TODO)と明日以降のタスク(TOMORROW TODO) について見ていきます。

今日のタスクを仕切る区切りでは hold:0 を使っています。明日以降のタスクを仕切る区切りでは hold:1 を使っています。これは「常に開始日を今日にする」「明日にする」と指定させているわけですね。

それからもう一つ、タスク名の先頭が ----となっているのは、どのタスクよりも最初に表示させたいからです。先頭には実はスペースがあります。 スペースは昇順ではどの文字よりも最初に表示される文字 です。

ハイフンを使っているのは、単に見やすくするためです。見やすくするためなら何でもいいです。 -------- でもいいですし、 ======== でもいいでしょう。

……と、解説していくと長くなってしまいますが、要するに区切りとして機能させるために、

  • 何とかして書き方を工夫(昇順で並び替わることを考慮)している
  • 必要ならホールド属性で開始日を固定する

の二つのアプローチを使っているというわけです。

複数タスクをまとめて操作

「タスクの開始日時を更新する」操作と「開始日時を今日にする」操作に限り、一度に複数のタスクをまとめて操作することができます。メニューには と付いています。

データのエクスポート/インポート

Tritask ではデータの取り扱いが簡単です。

.trita ファイルというただのテキストファイルなので、どうにでもできます。テキストエディタがあれば中身を見ることができますし、Tritask の環境をセットアップすれば、trita ファイルを開いて、どこでもタスク管理を行うことができます。また、(これはエンジニア向けですが)GitHub などのバージョン管理システムに入れて管理することも可能です。

おわりに

本ページでは Tritask について導入から使い方についてざっと紹介してみました。参考になりましたら幸いです。